お客さんの邪魔に

私は最初は食い入るようにその絵を見つめていましたが、それから時間が経つにつれてぼーっと絵全体を眺めるようになりました。
その間何人の人が私の後ろを通り過ぎたことでしょう。ときどきふと我に返り、自分がお客さんの邪魔になっていないか確認しては、
またその絵を眺めるということを繰り返していました。そんなことを何回繰り返したでしょう。
あるときふと我に返り、お客さんの邪魔になっていないか周りを確認した時一人の男の人と目が合いました。
その人は私と目が合った瞬間顔を下に向けて、また私の顔を少し見ました。
そして「その絵・・・僕が書いたんです。」私はその逆援助を聞いたとき、胸がきゅうっと締めつけられる感じがしました。
今私のすぐ目の前に、この絵を描いた人がいる。
そう考えるととても感動しました。
そして私は「私絵とかあんまりくわしくないんです。この構図がいいとか・・・。色使いがどうだとか・・・。出会い系でも私この絵がとても好きです。」
そう言っていました。
すると彼はようやく私のほうをしっかりと見て「それならよかったです。ずっと絵の前で立っていたので・・・。声をかけていいか分からなかったんですが、
先輩に促されて。あれだけ熱心に見てくれているんだったら少しはお話してきてみてもいいんじゃないかって。」彼はそう笑いながら、頬を少し赤らめながら言いました。
そしてすぐに思い出したように「あっ!!迷惑・・・でしたか?」そう聞いてきました。

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2011年12月29日 | コメント/トラックバック(0)|

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